五木寛之さんのエッセイ、大河の一滴の中に衝撃的な体験を語られた箇所がある。それは、終戦を満州で迎え日本に復員する時、進駐して来たソ連兵に母親が目の前で凌辱されると言う有ってはならない、余りに酷い、辛い体験をされた事が赤裸々に綴られていたのだ。
五木さんの中では、記憶から消し去りたい、思い出したくない、人生の中でこんなにも理不尽な事があって良いものか、又、けっして有ってはならない、認められない唯一の体験だったのだ。
どんなに忘れ様としても、事ある毎に思い起こされる辛く、悲しい体験だったのだ。
そこで、五木さんはある時気付いたと言うのだ。認めたくない現実てあれば、ある程、丁度影の如く付きまとうと言う事を!
そこで、それを受け入れ認め全受容した時、その苦しみから解放され道が開けたと言うのだ。
人生に於いて、苦しく悲しいマイナスの要因こそ、受け入れ認めた時に人は癒やされ前進出来るものなのかも知れない気がする。